最近こんな本を読みました。
「トヨタ流」現場の人づくり―トヨタ元生産調査部部長が明かす
田中 正知 ![]()
トヨタ生産方式というと「ジャストインタイム」、「かんばん」といったキーワード先行の話が多いですが、それ自体が本質ではないよ、とこの本は語ります。
最大の誤解は、トヨタ生産方式を「生産性を上げるための単なるツール」だと思い込んでいる経営者や担当者が多すぎることである。トヨタ生産方式は、断じて生産性改善のためのツールではない。企業としてのあり方や理念をどう考え、どう構築していくかを示した経営哲学である。
そういえば昨年末にこんな新聞記事がありました。
郵政公社はトヨタ生産方式をモデルに作業改善に取り組んできたが、いまだコスト削減の点で結果が出せていないそう。
郵政公社:「トヨタ流」導入4年 コストなお、要カイゼン
msnのキャッシュ
郵政公社は03年度に比べて05年度の総労働時間が約18%削減できたと説明。全国で約2400人の余剰人員が生まれたという。しかし、新たな収益につながる営業職などに配置転換となったのはごく一部で、大半はJPSの指導要員など郵便事業内にとどまったまま。必ずしもコスト削減や収益増にはつながっておらず、生田正治総裁も「大きな経済効果はこれから」と認める。
職員は、長年のカンや経験への自負もあり、「伝統のある郵便作業に押し付け的に導入されたと感じる職員もいる」(郵政労組関係者)という。
さきほどの本だと、この部分です。
トヨタ生産方式は、職場の濃密な人間関係と、互いに協力し合い、切磋琢磨し合って自分を高め、職場を良くし、会社を良くして行こうとする気風の「下地」の上にのみ成立する。トヨタ生産方式の導入を図って諸施策を施していっても、改善の成果として要員が浮いて来たとき、その要員の首を切ったら、その瞬間からトヨタ生産方式は機能しなくなると考えてほしい。改善した人を首にするということは、囚人に墓穴を掘らせ、掘り終わったら処刑してその穴に埋めることに等しい行為である。 職場を良くし、会社を良くして行こうという尊い気持ちから出た改善案で、自分たちがクビになり、路頭に迷うことを知った後では、「下地」の濃密だった人間関係は破壊され、互いに腹を探り合い、互いに足を引っ張り合う、地獄のような職場に変わってしまうからである。
ズバリ指摘してますねぇ。郵政公社もこれを肝に銘じてがんばってほしいものですが。