日経で世界経営者会議の特集が組まれていますが、経営者自身の言葉で語られるその戦略とビジョンは非常に興味深いものがあります。
——エルメスにとってブランドとは。
「生き方だ。それを皆で分かち合うことが我々のブランドだ。エルメスの世界を意味するサインでもある」
——ブランドにとって一番大切なものは。
「クラフトマンシップ(職人技)だ。当社では職人一人ひとりが製品を手作りしており、例えば革製品では千三百人の職人が働いている。二つ目はデザインや形などのスタイル。三つ目はノウハウを守るやり方だ。商品の九〇%を内製化することで独自性を守っている」
エルメスのCEOパトリック・トマ氏。さすがは160年以上の歴史を持つ老舗ブランドです。ブランド=生き方ですよ。形だけ真似をする人はわんさかいますが、そんなもの眼中にもない一言ですね。
——今春、仏ルノーのCEOにも就任した。ルノーに持ち帰る日本流の経営手法はあるか。
「日産に来た当初の私と今の私は違う。日本企業に触れ、多くを学んだ。それをルノーに入れようとしている」
「一つ目は単純な形で実行すること。日本人は複雑さを疑問視し、実行の質とスピードを追求する。それを欧州でもあてはめたい。二つ目はプロセスを重視すること。三つ目は、ある一つの強みを他の領域でも生かす考え方。例えば、生産プロセスを販売現場に生かせば、すばらしい結果が得られる。日産とルノーの間で、ベストプラクティス(最も良い手本)の交換を続けていく」
言わずと知れた日産のゴーン社長。
物事を単純化して考えていくことは欧米の合理主義的イメージがありましたが、実際は日本人の方がそういう考え方をするようですね。知らなかったです。
また、このベストプラクティスの交換・共有というのはなかなかできないことで、うらやましくも感じますな。